春になると、一斉に芽吹く。
本当に一斉に芽が出始める。
私の畑も、一斉に芽吹く。芽吹いてほしい野菜の種も、雑草の種も。
やれ、芽吹いてほしい野菜の種は喜ぶものの、
芽吹いてほしくない、面倒くさいと思われる雑草は目の敵にされる。
人の都合で、こうも解釈が変わるのかと、草刈をしながら一人、思いにふける。
30代までは、除草作業が辛いと思った。
なんで、こんなに草が生えるんだ と
イライラしながら草刈をしていたこともあったと思い出す。
しかし、今は違う。
どんな植物の芽も、この世にとって大切な1つの命。
それが、ただ今の時期に生えてしまったからとか、
芽吹いた場所が良くなかったから嫌がられるとか、
そんなことで、怒りや不満をぶつけられて、その植物の一生が終わってしまうのは、なんとも辛い。
だから、「生えてきてくれて、ありがとう」と言う気持ちを込めて、
ただ、「今回は、刈り取らせてもらいます。」と敬意をもって、
そして、「次の生えてくる植物のために、力になってください。」と願う気持ちを込めて、
刈り取る。
そんな気持ちで除草作業をしていると、イライラする気持ちは芽吹かない。
感謝の気持ちが芽吹く。
人は、目に映るものに心奪われてしまうが、
大切な事は、何を見るか、何をするか、ではない。
「どんな気持ちで、それをするか。」である。
植物に温かい気持ちをもつことができる人は、周りの人にも愛情あふれる対応ができ、
それは、巡り巡って自分を見て判断する目にもなる。
温かい気持ちは、最終的には、自分を温かい気持ちで見つめることができる。
全てのことは、最終的には自分に返ってくる。
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