サツマイモの栽培

野菜の栽培
この記事は約5分で読めます。

特性

サツマイモは、漢字では薩摩芋。または、甘藷(かんしょ)などと呼ばれています。

原産地はメキシコ南部からペルーにかけての地域です。紀元前800~1,000年前から中央アンデス地方で栽培されていました。

東南アジアに伝わったサツマイモは、その後中国へ広がり、1,600年頃に中国福建省から日本にきました。琉球王国(沖縄県)から始まり、そこから薩摩の船乗り「前田利右衛門(まえだりえもん)」によって薩摩地方(今の鹿児島県)全域に伝えられ、本州に伝わったと言われています。

連作は可能です。

ヒルガオ科:酸性土壌を好む

水はけがよく、乾いた土壌を好む

サツマイモを切ると、白い液体(ヤニ)が出ます。これは、「ヤラピン」という物質です。ヤラピンには穏やかな下剤作用があります。

おススメ品種は、「紅はるか」です。私の中では、苗のコスト、美味しさを考えると最もコスパの良い品種だと感じています。ねっとりとした触感は、焼き芋にするととても美味しい。焼き芋で有名なかいつかさんの焼き芋も、この紅はるかを使っています。

1年間の栽培予定は、このような感じです。

育て方

土づくり

5月上旬に土づくりをします。ちょうどゴールデンウイークですね。

酸性土壌(ph5~6)を好むため、石灰はまかない

植え付け1週間前に、1㎡あたり、牛ふん堆肥0.5kg、鶏糞40gをまき、良く耕す。

チッソ分が多いと、蔓(つる)ボケになりやすい。
※「蔓ボケ」とは、茎や葉ばかりが成長して、芋が太らなくなる状態のことを差します。

サツマイモは、挿し芽で育てます。種ではありません。

苗は購入することが一般的だと思います。
購入する時は、ガッチリした太い苗を選んでください。購入した苗は、一晩水に浸し、水分を吸わせます。葉が黄色くなっているものは、取り除いてください。

植え付け

5月中旬~下旬がベストだと思います。

一番簡単に畝を作るには、幅60cm、高さ20~30cmの高畝にする。
株間は、約40cmにする。

植え方は3種類あります。

サツマイモの苗の植え方 3パターン

① 垂直植え:縦に差すように植えます。芋数は少なく、大きな芋ができます。

② 船底植え:地面とほぼ平行に植えます。欠点は乾きやすいことです。芋数は多くできます。

③ 斜め植え:垂直と、船底の中間。斜め45度くらいで地面に差し込みます。活着しやすい。

私のおすすめは「① 垂直植え」です。最近は暑い日が多いので、斜め植えだと苗が根付くまでに乾燥で死んでしまうことがありました。

どの植え方でも、基本は3~4節まで土に埋めます。切り口に近い2~3節から出た根が最も芋をつけやすいです。

マルチの使用

サツマイモは、植えてしまえばほとんど手のかからない野菜だと言われています。そのため、マルチをはって栽培をする農家さんも多いです。ここで、マルチをはるメリットとデメリットを私なりにまとめます。

マルチのメリット

・除草の手間を省くことができる。
・肥料の流出を防ぐことができる。
 ➡雨が降ると、作物が肥料を吸収する前に雨と一緒に流れてしまいます。
・土の乾燥を防ぎ、地温を上昇させます。
 ➡近年は、夏が熱すぎるので、マルチは地温を上昇させ過ぎてしまう場合もある。

マルチのデメリット

・暑い日にマルチを敷いて苗を植えると、マルチの熱さで苗が焼ききれてしまう。
・水はけの悪い土地にマルチをはると、さらに水はけが悪くなる。
・ビニール素材なので、環境にやさしくない。

生育中

梅雨明け前までは、除草作業をしっかり
葉が茂ってくるのは、7月中頃からです。逆に言えば、ここまで除草作業をしっかりしていれば、8月以降は雑草よりもサツマイモ勢いが勝ります

栽培途中、葉が黄色くなってきたら、鶏糞を20gほど追肥します。

鶏糞の注意点!

ルチを使用している場合は、鶏糞ではなく、化成肥料を使用してください。なぜなら、マルチの中で鶏糞が発酵して、サツマイモの苗自体が菌にやられてしまうからです。鶏糞は、完熟したものであれば問題ありません。しかし、発酵鶏糞と書いてあっても乾燥させているだけのものがほとんどです。そのため、マルチに完熟でない鶏糞を撒くと、放線菌が発生してサツマイモ自体が死んでしまいます。

マルチを敷いていなければ、鶏糞は使用して大丈夫です。

収穫

10月上旬から掘ることができます。

芋が本格的に太り始めるのは9月からです。そのため、9月に掘ってしまうと、これから太る芋まで取ってしまうので、ちょっともったいない時期です。

もう少し待って、早くても10月上旬から掘っていった方が良いと思います。

早く食べたい気持ちはありますが、10月まで芋ほりは待ってください。

逆に、12月まで伸びてしまうと、霜にやられてしまいますので、遅くとも11月にはすべての芋を掘り上げてしまいましょう。

コンパニオンプランツ

ゴマ

私が栽培して中で一番良かったものは「ゴマ」です。

どこが良いのかというと、ゴマは大きくなると背丈がありますので、サツマイモ畑の中でもどこに生えているのかがよくわかります。

ラッカセイ

コンパニオインプランツとして、愛称は良いようです。

しかし、栽培してみると相性の良さはありますが、どこにラッカセイの苗があるのかが分かりません((;^_^A。

なんせ、サツマイモの葉の中に隠れてしまうので、育てやすいかどうかと聞かれると、育てにくいです。

運営者のプロフィール

兼業農家を営んでいます。

野菜とのきっかけは、プランター栽培です。
ミニトマト、ナス、唐辛子など、少しではありますが、できた野菜を育てること、収穫すること、食べること、どれをとっても素敵な瞬間でした。

その感覚がとても好きで、プランター栽培を3年ほど経て、いつしか畑で作物を作ることにしました。

プランターの世界よりも遥かに広い畑の世界に足を広げ、そこで育っていく野菜には、本当にたくさん教えてもらうことがあります。

育てたソラマメの美味しさに驚いて、ニンジンの甘さと香の強さに驚いて・・・、自分が美味しいと思う野菜を他の人にも食べてもらおうと少しではありますが直売所に卸しています。

このブログの目的は以下の通りです。
① 安心して食べていただけるように、資材(例えば肥料)、農薬など、野菜の育て方をできる限り載せます。
② 情報を蓄積させることで、私自身の栽培技術の向上を目指します。
③ 野菜を育てたい方が、当ブログを見て、栽培する方法を学ぶことができるようにします。

当ブログを訪れた方が、当ブログの内容を読んで、生活が豊かになることを心から祈っております。

野菜の栽培
いっぽをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました