ジャガイモは、栽培が簡単な野菜の一つです。
酸性土壌の痩せた土地でも作りやすいです。何も作っていない土地の場合は、「とりあえずジャガイモ!」(を植える)と言ってもいいほど栽培万能野菜です。
特性
ナス科に属します。土壌は酸性(pH5.0~6.0)へ適応する。そのため、石灰はまきません。
高温になると枯れます(収穫の時期)。
霜に弱いので、春作は霜に注意が必要です。そのため、3月中旬に種芋を植えます。
連作を嫌うので、2~3年あけます。
ジャガイモの別名は、馬鈴薯(ばれいしょ)。
日本には、慶長(けいちょう)3年(1598年)に、オランダ人により東洋貿易(とうようぼうえき)の根拠地としていたジャワ島のジャカルタから長崎に伝わりました。 これが「じゃがたらいも」となり、これが後になまって「ジャガイモ」となりました。
別名の「馬鈴薯(ばれいしょ)」は、中国から伝わった名前と言われています。 名前の由来は、「馬に付ける鈴に形が似ている」ということから、そう呼ばれるようになったようです。
1年間の栽培予定は、このような感じです。
おすすめ品種
キタアカリ
ねっとりと甘いジャガイモ。煮崩れしにくいので、煮込み料理にも適する。どんな料理にも適する。このサイトでご紹介している品種もキタアカリです。
メークイーン
しっとりしたジャガイモ。煮崩れしにくいので、煮込み料理に最適。
男爵芋(だんしゃくいも)
ホクホク系の伝統的な品種。じゃがバターはとっても美味しい。煮崩れしやすいので、煮込み料理には適さない。
育て方
種芋の購入
ジャガイモの種芋は、ホームセンターで売っています。
多くは重さで販売しています。1kg、3kg、10kgなどです。
そこで、どのくらいの量で、種芋がいくつ入っているのかが把握しておくと購入する時に便利です。
目安は、1kgあたり約15個(株間30cmで一直線に植えるとしたら、約5m分)の種芋が取れると思っていると良いと思います。
種芋は、大きかったり、小さかったりしますので、次のコーナーを参考にして、1個あたりの大きさを調整すると良いです。
種芋
100g以上の芋は、半分に切って植えます。1つのイモが大きすぎると、芽がたくさん出すぎて、後の作業が大変になります。切る時は、イモ全体の芽の数が大体同じくらいになるように切り分けます。
種芋の大きさが微妙な場合、切ろうか迷いますが、迷ったら切らない方が無難です。なぜなら、種芋を切る目的は、芽かきの手間を省くためです。切ったことで種芋が小さくなりすぎて生育できなくなってしまうくらいなら、初めから切らない方が良いと思います。
切り口からの感染を防ぐため、切った後は、最低1週間乾燥させます。
本によっては灰をつけることがありますが、私はそこまで手間をかけません。乾燥すれば、切り口から感染することはありません。乾燥すると、切り口に白い粉がふいたり、切り口が黒ずんできたりしますが、特に問題ありません。
秋作は、8月に種芋を準備します。その際には大きな種芋は切りません。切ると腐りやすいので、切らずにそのまま植えます。
土作り
2月下旬~3月上旬に土づくりをします。
土がアルカリ性に傾くと生育が悪くなり、そうか病などにかかりやすくなる。そのため、石灰はまきません。
植え付け1週間前に、1㎡あたり、牛ふん堆肥1kg、鶏糞100gをまき、よく耕します。
そうか病
ジャガイモの病気で有名です。
原因は、「ストレプトマイセス属菌」という放線菌です。土壌の中で有機物を栄養源にして存在します。そうか病は、ジャガイモ以外にも、ニンジン、ダイコンなどで可食部の表面が盛り上がり、大小丸い斑点がたくさんできます。病気ではありますが、厚く皮をむけば食べられます。
植え付け
3月15~20日のお彼岸前がベスト。ちょうど、菜の花が咲くころ。お彼岸でも大丈夫。
2024年は、少し早めに3月10日に植えました。
耕運機を使用して、作付けする方法を以下に紹介します。
まず、畝立てアタッチメントを使用して、地面に一直線の溝を切ります。
次に、畝立て下片方の土を、溝切した畝に戻します。
そうすることで、ジャガイモを植える深さがおおよそ5cmになります。
また、土を戻すことで、その後の種芋を置く作業の時に、種芋が転がらずに一定の場所にとまります。
その後、30cm間隔に種芋を置き、その間に鶏糞100gをおきます。
私は、ジャガイモの芽を下に向けて植えます。それは、数ある芽の中でも、強くてたくましい芽が出てくるようにするためです。また、芽かきの手間を省くことにもなります。
最後に、もう片方の土を戻します。
これで、植付は完成です。
今年の作付け計画は、以下のようにしました。
ポイントは、①少しカビにやられた種芋 です。カビにやられた後、1週間ほど干しました。見た目はカビが生えているようには思えない状態。果たして、上手く出来るか否か、収穫量はどうか。同じように同じものを作るのでは進歩がないので、今年はこのようにしました。
耕運機の使用方法については、こちらをご覧ください。
私の使用している耕運機です。
芽かきと土寄せ
4月中旬:草丈10cmくらいになったら、1株2~4本になるように芽かきをします。芽かきをするときには、他の芽が傷つかないように片手で抑えて抜いてください。
その後、鶏糞30g/㎡撒いて、土寄せをします。
芽かきをする目的は、芋の大きさを調整するためです。
芽が多いほど栄養が分散されて小さなジャガイモがたくさんできます。
大きなジャガイモを作りたかったら、1株1~2本の芽にする。
中くらいのジャガイモを作りたかったら、1株3~4本の芽にする。
それ以上の芽の数になると、できたジャガイモが小さすぎて調理しにくいです。
迷ったら、芽の数は3本にしましょう!
土寄せ(2回目)
5月中旬、ジャガイモの蕾が見えたころ、追肥鶏糞30g、土寄せをします。
土寄せは、ジャガイモの栽培では、計2回行います。その理由は、毒ジャガイモを育てないようにするためです。
ジャガイモは、親芋(植えた種芋)の上に新芋をつけます。しかも、新芋は日に当たると緑化します(芋が緑色になります)。そうすると、ジャガイモの芽に含まれるソラニンやチャコニンが生成され、食べられなくなってしまいます。
収穫
下葉が枯れ始めたら、収穫可能。いくつかスコップで掘ってみると良い。
湿気に弱いので、掘るタイミングとしては2~3日晴天が続いた後です。
また、梅雨に入る前には収穫したい。
収穫した時に、小さすぎるジャガイモは食べられないと思って畑にそのまま放置しません。放置されたジャガイモは野良イモと言われています。
野良イモは、病気や線虫に感染している可能性があるため、見つけ次第抜き取ります。そのまま放置すると、無病の種芋を植えても、病気が多発する可能性があります。
コンパニオンプランツ
根深ネギ
ネギとジャガイモは相性が良く、リレー栽培が可能です。
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